銀山温泉 能登屋旅館
物語の中に迷い込んだような銀山温泉街の中心に位置する能登屋旅館は銀山温泉唯一の日本秘湯を守る会会員の宿。銀山温泉にある旅館のどれをとってみても、その芸術性の高さに心を奪われるが、「千と千尋の神隠し」に登場する「湯屋」のモデルともいわれている能登屋の建築は特に素晴らしい。木造4層、西洋建築の手法を取り入れた望楼付きの建物は、国の登録文化財にも指定されている、まさに国の宝である。
ここ能登屋旅館にはこの登録文化財の本館の他に別館もあるのだが、私達は本館に泊まることしか考えていなかったので、予約にはとても苦労した。なにしろゴールデンウィーク明けに電話して、「次に空いている土曜日」が11月の終わりだったのである。これほどにありがたい旅館にお泊まりできる〜!! とウキウキしながら出かけたものの、実際に泊まってみると、それはそれは酷い状態だった。
旅館は一生懸命だと思うし、従業員の態度も悪くない。でも……。
客が最悪!
(1)せっかくの湯にガンガン加水する。おかげで湯はいつも薄〜くてぬるい!
(2)浴室内、バンソコとかそのまま落としていく客がいる。汚い。
(3)夜になると宴会場でカラオケパーティをする。熱海でやってくれ!
(4)部屋の柱に「窓から煙草を投げ捨てないでください」と、とんでもない注意書き!
……と、こんな状況なので、宿側の対応も……
(1)女将が挨拶に来るのはいいが一方的に話をして去ってしまう。つまり、こちらに話す機会を与えない。よっぽどうるさい客に懲りてるんだろう。
(2)浴室内に「業務用塩素剤」の箱が置かれていた。
(3)お風呂が熱くないか? ばかりを心配している。つまり、熱くて入れないという苦情の方が多いのだろう。仕方ないじゃん。源泉温度は60度近いんだから)
……てな具合になってしまう。
なんだかもったいない、というのが泊まってみた印象。
旅館を出るときに、先代女将がほっかりとやってきて、私達に飴をくれたのが、唯一の救い。客が良くなれば、もっといい旅館になると思うのだけど……とにかく残念でならない。
半年待ってやっと取れた、本館の一室。一つ一つの造りが細やか。
泉質 含硫黄-ナトリウム-塩化物 硫酸塩温泉
源泉温度:59.1度 pH:7.0
泉源: 源泉名:協組4号泉 湧出量: ・/min
見た目:少し白濁
臭い、味:硫黄臭 塩っぱい 白い湯の華
泉質別適応症 高血圧、動脈硬化、慢性皮膚病、婦人病、きりきず、やけど、糖尿、筋肉痛、関節痛など
風呂 内湯 2 露天風呂1 貸しきり風呂1
日帰り入浴 なし
宿泊 一泊二食つき¥12000〜
設備 浴室内設備:シャワー、カラン、シャンプー、リンス、ボディソープ
脱衣所設備:資生堂の乳液と化粧水 クレンジング液 耳ひっかきつき綿棒
男性用にはヘアリキッド、ヘアトニック、アフターシェイブローション
ドライヤー有り 鍵つき貴重品ロッカー有り
施設設備:お土産売店有り
場所 山形県尾花沢市銀山温泉 TEL:0237-28-2327
車:山形道東根ICより39キロ約1時間
電車:JR山県新幹線 大石田駅より尾花沢を経て銀山温泉行きバス40分