害虫の駆除とは全ての害虫を駆除すれば良いわけではなく、生態系や環境へも効果を及ぼすので、慎重な対応が必要となります。
●害虫とは
害虫(がいちゅう)とは、人間(ヒト)や家畜・ペット・農産物・財産などにとって有害な作用をもたらす虫、具体的には主に無脊椎動物である小動物、とくに昆虫類をいう。逆に、役に立つものは益虫という。
人間の生活等に有害な動物のうち、主に脊椎動物である大型動物では、主に哺乳類に対しては害獣、鳥類に対しては害鳥という。英語では日本語の「害虫」「害獣」「害鳥」は、いずれも「Vermin」の語で表わされる。
害虫の駆除には殺虫剤が使われる。
◆害虫による損害
害虫は、様々な形でヒトに被害を与えるものに対する呼称である。ヒトの生活のあらゆる面で、それを害する虫がいるので、その在り方は様々である。常にヒトに害をなしつづけるものもあれば、偶発的にヒトに害を与える、というものもある。前者であれば、常に配慮を怠らない訳にはいかない。吸血性昆虫や、農業害虫がそれにあたる。
ただし、ある視点で見たとき、その虫が害をなすのであれば、それを害虫というのであって、別な視点でその虫を見れば、むしろヒトにとっての利益になる、益虫と判断できる場合もある。また、生物は、互いに複雑な関係をもって生活しており、ある生物種の個体数の増加減少が、生物群集全体に予測できない変化を引き起こす場合もあり得る。駆除の対象とすべきかどうかには、慎重な判断が必要である。野外の、それも人里離れたところに出たときのみ、危険を与えるようなものに対しては、むしろ人間側が配慮すべきであろう。
◆農作物に対する害
農業害虫ともいわれ、きわめてたくさんの例がある。収穫後、保存中の農作物を加害するものは、特に貯穀害虫という。農業においては、害虫への対応いわゆる害虫駆除は、過去より現在に至るまで、もっとも重要な課題の一つでありつづけている。古くは虫送りなど、害虫を追い出す行事があり、最近では農薬を主体とする駆除法が発達している。ただし、農薬には副作用や環境への影響など、様々な問題もあり、現在では出来るだけ農薬を使わない工夫も行われる。また、天敵利用など、自然の作用を利用する防除法なども施行されている。
[ 農業害虫]
・ バッタ:大量に発生すると、移住性を持つようになる種、いわゆる飛蝗は、アフリカなどで時に甚大な害を与える。
・ ウンカ:特に稲に対する被害が大きい。
・ ミバエ:熱帯地方では果樹に大きな被害を与える。ウリミバエは沖縄諸島にいたが、不妊虫放飼という方法で根絶された。
・ メイガ:様々な植物を食べるものがいる。稲作では、ニカメイガとサンカメイガは、かつて最も重要な害虫であった。
・ カメムシ:植物の汁を吸う。様々な農産物に様々なものがつく。近年、日本ではツヤアオカメやチャバネアオカメが大発生する年があり、問題になっている。
・ アブラムシ・カイガラムシ:植物の汁を吸う。いずれも繁殖力が強く、植物上にコロニーを作り、大きな被害を与える。
・ アザミウマ
・ ハダニ・フシダニ
[ 貯穀害虫 ]
・ コクゾウムシ
・ シバンムシ
・ キクイムシ
・ コクヌスト
・ カツオブシムシ
等々が該当する。
(Wikipediaより)