■ナンバープレイス(数独)
数独(すうどく・SUDOKU)とは、3×3のブロックに区切られた9×9の正方形の枠内に1〜9までの数字を入れるペンシルパズルの一つである。
●概要
数独という呼称は、パズル雑誌『パズル通信ニコリ』で使用される名称で、「数字は独身に限る」の略である。「数独(スウドク)」はニコリの登録商標であり、一般には「ナンバープレース(ナンプレ)」と呼ばれることが多い。日本以外の国ではSudokuの呼称の方が一般的であるが、アメリカ合衆国ではSudoku, Number Place双方の名称が使用されている。
世界的にも有名なパズルで、世界パズル選手権においてスケルトンやお絵かきロジック、その他さまざまなパズルとともに毎年出題されている。
このパズルのみを扱った専門雑誌も数社から出版されている。
2005年にイギリスでブームとなり、世界中で流行する。海外で火のついたブームを追うように2006年から日本でも連載する新聞、雑誌が増えてきている。
●ルール
あいているマスに 1-9 までのどれかの数字を入れる。
縦・横の各列及び、太線で囲まれた3×3のブロックに同じ数字が入ってはいけない。
●初期配置
日本国内において数独の問題を発表するときには、最初に盤面に提示されている数字の位置を対称形や文字などの形にするのが一般的である。
最初にヒントとしては位置する数字の数は、24-32個ぐらいまでが多く、これ以上だと解くのが簡単になる。逆にそれ以下にするのは作者の技量も必要になってくる。
問題として成立する初期配置の数字の最少個数はまだ結論が出ていないが、対称形の問題では18個(初出・パズル通信ニコリ31号 1990年)、非対称の物では17個(初出・パズラー187号 1997年)のものが確認されている。
●歴史
フランスの日刊紙 Le Siècle は1892年に、数独と同様のパズルを掲載している(ただしこれは2桁の数字を使用していた)。1895年には別の日刊紙 La France が1桁の数字で9×9の盤面を埋めるパズルを掲載しているが、これは3×3のブロックを用いていなかった。これらのパズルはしばらくフランスのいくつかの新聞に毎週掲載されていたが、いずれも第一次世界大戦前後には姿を消した。
現在の数独は、74歳の引退したアメリカ人建築家ハワード・ガーンズが匿名で考案したものである。これは18世紀にスイスの数学者レオンハルト・オイラーが考案した、ラテン方陣あるいはオイラー方陣と呼ばれるものに、3×3のブロックという新たな制限を付け加え、ペンシルパズルとしたものである。これは「ナンバープレース」の名前で1979年にニューヨークの出版社デル・マガジン社から初めて出版された。
日本には、ニコリの「月刊ニコリスト」誌1984年4月号で、「数字は独身に限る」の題で初めて紹介された。命名者はニコリ社長の鍜治真起である。
1988年4月1日、ニコリから単行本「ペンシルパズル本6・数独1」が刊行された際、長すぎるという事で「数字は独身に限る」の略称として「数独」という名称が登場した。以後数年間は「数字は独身に限る」の方が引き続き正式名称であったが、1992年3月1日発行の「パズル通信ニコリ37号 はる分」より、「数独」の方が正式名称となった。
数独の世界的な流行は、1997年にニュージーランド人ヴァイン・グールドが日本の書店で数独の本を手にとったことに始まる。グールドは数独をコンピュータで自動生成してイギリスの新聞タイムズに売り込み、2004年11月12日から Su Doku の名で連載を開始した。2005年4月から5月にかけてブームに火が付き、ザ・インデペンデント、ガーディアン、ザ・サン、デイリー・ミラーなどイギリスの主要日刊紙に軒並み掲載されるという状況になった。2005年7月1日にはテレビ局スカイ・ワンが、数独をテーマにした初のテレビ番組を放映。イギリスの人気は海外に飛び火し、パズルとしては1980年頃のルービック・キューブ以来の大流行と言われた。
◆世界選手権
2006年3月10日、11日にはイタリアのルッカで初の世界選手権が開催され、22カ国85名が参加した。優勝はチェコの女性ヤナ・ティローバである。女性が国際的なパズル選手権で優勝するのは世界パズル選手権でも例がないことであった。日本代表はパズル作家の西尾徹也の4位が最高だった。
●コンピュータゲームの数独
数独専用の電子ゲーム機やウェブサイト上でMacromedia Flashを用いたものなど様々なバリエーションが存在するが、以下にゲーム機用のソフトウェアとして発売された代表的なタイトルを挙げる。
◆数独 SUDOKU
2006年3月23日、ハドソンより発売。対応機種はニンテンドーDS。ボタン操作とタッチペン操作の切り替えが可能。ニコリが問題提供で協力している。北米では任天堂より「Sudoku Gridmaster」のタイトルで発売されている(パズルシリーズの項も参照)。
◆ナンプレアドバンス
2006年4月6日、サクセスより発売。対応機種はゲームボーイアドバンス。問題数が非常に多いのが特徴。
◆カズオ
2006年4月27日、ソニー・コンピュータエンタテインメントより発売。対応機種はPSP。日本以外では(ニコリが「数独」を商標登録しているのが日本に限られるため)「Go! Sudoku」のタイトルで発売されている。
◆THE イラストパズル&数字パズル
2006年4月27日、D3パブリッシャーよりSIMPLE DSシリーズ Vol.7として発売。お絵かきロジックと数独を1本のソフトに収録。オリジナル問題の作成機能が付いている。対応機種はニンテンドーDS。
◆Brain Age / Brain Training
任天堂「脳を鍛える大人のDSトレーニング」の北米版・ヨーロッパ版には数独が収録されている。
◆眠れない夜とパズルの日には…。
2006年9月28日、ジャレコより発売予定。カックロなどのパズルを1本のソフトに収録。対応機種はニンテンドーDS。ニコリが問題提供で協力している。