■フィギュア(figure)
・形状、形態、図形、容姿などを意味する英単語。
・フィギュアスケートの略。
・アニメキャラクターやロボットなどの立体造形物。フィギュア。
●造形物としてのフィギュア
昨今の日本においては造形物のフィギュアという場合、主に漫画、アニメ、コンピューターゲーム等のキャラクターを立体造形物にしたものを指す事が多い。実際には、動物やロボットなどにも使用する場合がある。特定のポーズで固定されており可動部分がない。しかし、言葉の一般化にともない誤用や転用も多く、必ずしも可動しない事がフィギュア、では無くなってきている。
●フィギュアという呼称
もともとは英語圏で人の形を模したものを指す一般的な言葉であり、必ずしも立体をさす言葉でも無かった。また人の形を模したものをすべてフィギュアと呼ぶかと言えばそうではなく、西欧圏では日本で言うところのフィギュアはスタチューという呼び方の方が一般的と言える。また彫刻によってつくられた像はスカルプチュアと呼ぶ(彩色の有無、素材の違い、技法の違いなどから別称される)。彫刻・彫塑・立像などの分類から外れたものを指すことが多い。大航海時代の帆船が船首に取り付けていた像(多くは旅の安全を願うお守りで女神や妖精などの美女であることが多い)をフィギュア・ヘッドと呼ぶなど西欧圏で一般化した言葉である。イスラム圏では人形文化そのものがほとんど発達していない。 日本ではタミヤが主催した1/35ミリタリーフィギュアの改造コンテストでも「人形改造コンテスト」という名称が使われており、漫画やアニメのキャラクター造形の拡大によりフィギュアという言葉が一般化した印象が強いが、ミリタリーモデルやエアモデルの分野ではそれ以前から付属のパイロットなどはフィギュアと呼称されていた。これは輸入キットやバーリンデン・プロダクツの影響が強い。そのため日本でも、アニメキャラの立体化が始まった頃にはアニメ・フィギュアという名称が使われ、フィギュアの1ジャンルとされていた。現在ではフィギュアはアニメキャラの立体化、あるいは小さな立体物をさす言葉に混同・誤用されている状況が見られる。
●フィギュアとガレージキット
ガレージキットとはアマチュアもしくはセミ・プロモデラーによってつくられた、大手メーカーでは製作され得ないマイナーなアイテムのキットを言う。フィギュアはその製作方法により容易にガレージキットへと転化できるため、多くの場合複製品として流通することが多い。もちろん、複製をしないワンオフ物も存在する。昨今日本で主流となっている食品付属玩具(食玩)などは大手メーカーの大量生産品であるためガレージキットとは呼べない。またガレージキットも製作技術の進歩、素材の改良、大手の参入などがあり1000個単位の流通も珍しくはなくなっている。
●フィギュアの製作方法(ガレージキット・ワンオフ物・原型)
技法としては多くの方法が存在する。多くの場合複数の素材と技法を混合する傾向にある。また技法は素材とも密接に関わる。
ポリエステルパテを使用し、おおまかな形を盛り付けてから硬化後細かなディテールを施す。
無発泡ポリウレタン(レジン)を使用し、おおまかなブロック状の成形物をつくってから削り出す。
石粉粘土など乾燥により硬化する粘土を用いおおまかな形を盛り付けてから硬化後細かなディテールを施す。
焼成粘土など加熱により硬化する粘土を用いおおまかな形を盛り付けてから硬化後細かなディテールを施す。
FRPをガラスクロスに塗り付け形を整え、硬化後表面を削り細かなディテールを施す。
ほとんどの場合完成したフィギュアはそのままでは長期の保存、展示には向かない。ポリエステルパテは硬化剤との化学反応が硬化後も続くため経時劣化により収縮する。石粉粘土などは強度が不足しているためわずかな振動で破損する可能性がある。そのため完成したフィギュアを原型とし、シリコーンゴムと無発泡ポリウレタン(レジン)を用いて複製を行ない、複製したものを完成品として仕上げることが多い。
こうしたガレージキットフィギュアは高価で組み立てに技術と労力を要する事から購入層がもっぱら一部のマニアに限られていたが、近年では食玩フィギュアの製造ノウハウを応用して中国工場で製造・塗装された精巧で安価な完成品フィギュアが流通するようになり、模型の範疇にとどまらずキャラクター商品のひとつとして認知されつつある。
●さまざまなフィギュア
◆メタルフィギュア
ホワイトメタル製のフィギュア。TRPGの駒として知られている。ミリタリーモデルのディオラマ用、単体のヴィネット用も多い。欧米では広く普及しており、古い歴史と膨大な種類がある。メタルキャストによる複製が容易なのでガレージキットの黎明期にはホワイトメタル製キットが一般的であった。
◆自販機フィギュア
模型屋や駄菓子屋の店頭に設置された自動販売機(通称:ガシャガシャ、ガチャポンなど)で販売されるフィギュア。カプセルに封入され単体で販売される。以前は素材も消しゴムと称された単色のゴム製のものが多く(怪獣消しゴム、キン消し)、大きくディフォルメされたものが多かった。現在では彩色済みで硬質の樹脂を用いたコレクタブルなものになっている。また販売先がコンビニエンスストアに移行しつつあるので自販機ではなく店頭売りされることも多くなった。
◆
食玩フィギュア
食品付き玩具(食玩)の中でキャラクターフィギュアが付属しているもの。海洋堂の食玩から始まったフィギュアブームにより、動物や家具、食器などのミニチュアや鉄道模型、あるいは戦車や戦闘機などミリタリーモデルのカテゴリーに含まれるものまでも一括してフィギュアと呼ばれるようになるが、本来はこれらはフィギュアと呼ぶにはふさわしくない。また、一部の食玩では背景や複数の登場人物を組み合わせたディオラマ風のものも登場しているがこれもディオラマ、もしくはヴィネットと呼ぶべきである。
◆アクションフィギュア
腕や肩など関節の一部を限定的に動かせるようにしたものをアクションフィギュアと呼ぶ。日本では関節の自由度が増えるとフルアクションフィギュアと呼称することが多い。
◆ドール
西欧圏(主にヨーロッパ)における愛玩用もしくは玩具としての人形がドールと呼称されている。日本では主に、植毛されている・可動部分を持つ・衣装の着せ替えを行なえるといった特徴を持つフィギュアや人形の総称として「ドール」が使用される。スーパードルフィーをはじめとする人形を(狭義の)フィギュアと区別するために使い出された語だが、リカちゃん、ジェニーなどの女児用玩具も含めた着せ替え人形をも含む言葉に変化しつつあり、固定された概念ではない。フルアクションフィギュアとは異なるが、フルアクションフィギュアをドールとして紹介している例もあり、完全に別物とは言い切れない。またガレージキットのフィギュアにも植毛されたものが存在するなど境界は曖昧である。
●フィギュアメーカー
フィギュアおよびガレージキットで有名なメーカーである。アマチュアガレージキットメーカーも含めるととてつもない数が存在する。
・ アルター
・ 海洋堂
・ グッドスマイルカンパニー
・ コトブキヤ
・ ボークス
・ マックスファクトリー
・ メガハウス
・ リーメント
(Wikipediaより)